甘えベタ

被災しなかったもう一人の身内から 泣きの電話が来ました。

大学から家族と離れ 一人暮らしで学生時代を謳歌し その土地で就職を果たして

順風満帆の道を突き進んでいるはずなのに どうしたことなのだろうか?

ざわつく気持ちを抑え おしゃべりな私には苦行の「聞くこと」に徹しました。


仕事と私生活のバランスが崩れ 耐えられなくなった模様。

就職2年目にもなれば 必ず遭遇すると言っていいくらいの悩み。

誰もが通る道などと思いつつ 電話の向こうの身内に 包み込むような優しさ&

パワーを噴射したつもりだった。しかし・・・

相手の健気な気遣いによろめいてしまった。

「今日は休んでしまったけど 明日から毎日仕事 洗濯 掃除 ご飯作りって

毎日の生活を一人でやっていく自信がないような気がするの。だから 来て欲しい

って言うかもしれないけど そのときは来てくれる?」

明日からの生活を思って泣いているのはわかるけど その対処法を冷静に判断して

アポをとる身内の他人行儀さ 甘えられない性格に 責任を感じてしまった。


差別も区別もせずに 二人の身内を同じ深さで愛してきた。

でも 微妙な違いはやはり生じてきていたのかもしれない。

本人の性格や私との相性etc いろんな要素で誤差はあるのかも。

だけど 愛する深さには違いを生じさせたつもりはない。


今日の泣きの電話の身内は いつも我慢して 甘えることが出来ないでいたように

思う。

我慢させてきたつもりはないが 我慢してくれていることに 私が甘えていた

からだ。

だから 泣きじゃくりながら一生懸命気持ちを訴えてくれることが嬉しくて。。。



そのうち・・・

電話の向こうの声が落ち着いてきて 笑いが少しあって ほっとしたように

「うん。またね」と言って向こうから電話を切ったときは 私が泣いていた。



多くの方が苦しんでいる今 ボランティアの方が被災した方々に

「我慢なんかしなくていいですよ。頑張ることもしなくていいですよ。

私たちに甘えてください。

わがままいっぱい言って 甘えてきてください。」と呼びかけていらした。


我慢して頑張って 甘えることが苦手な人を 自然に甘えさせてあげるのも

大切な事だと、震災と身内から教えられた。